今回は1997年ごろに販売されていた”BOSS ME-30 ”について紹介していきます。
ME-30の特徴
・1997年エフェクターメーカー”BOSS”から販売されたギター用マルチエフェクター
・ME-5、ME-10、ME-8、ME-6続くシリーズ
・外部の入力ジャックによりフレーズサンプラー機能を搭載
・シリーズ初となる単三電池による使用も可
・エクスプレッションペダル標準創装備
・アナログ回路による歪み
など現在からみれば特にめずらしくもない機能もあるが、
当時としては画期的なマルチエフェクターとして大ヒット商品となったみたいだ。
5つのフットスイッチにフットペダルがあるにもかかわらず、
軽量なプラスチック製のボディ、ギターバックに収まるサイズ感と現在のマルチエフェクターに足りないものをこのエフェクターは実現していると思う。
特筆すべきは内蔵のエフェクトで、
当時販売していたBOSSのコンパクトエフェクターの機能を数多く搭載している。
しかも歪みはBOSSのコンパクトエフェクターの歪みと同じくアナログ回路であるためより実機に近いサウンド、、もっといえば実機そのままのサウンドがこの一台で手に入ることになる。
ME-30に搭載された歪みエフェクターはコンパクトの何に近い?
ME-30に搭載されている歪みエフェクトは
VINT・WARM・CRANCH・BLUES・HARD・METAL・FUZZ
の7種類で
VINT
ローが削られた軽いクランチサウンドが得意なVINTはBOSSのエフェクター”OD-1"のようにカッティングやコードストロークに使えそうな歪みだった。
OD-1はすでに廃盤となっており、現在はその後継機種”SD-1”がコンパクトで販売されている。
SD-1は単体で歪ませて使うだけでなく、
歪ませたアンプに対してブースター的に使用してアンプの持つ歪みをさらに引き出す使い方をすることが多い。
WARM
WARMはVINTに比べ丸く低音の主張が大きく、軽い歪みから深い歪みまでも網羅している”OD-3”的なサウンドである。
OD-3はSD-1と比べハイゲインなサウンドも出せるので、JC-120のようにアンプ単体では歪ませられないアンプに対しても十分なゲイン量を稼ぐことができる。
それでいてあくまでオーバードライブの範疇のため、つぶれすぎずバンドアンサンブル内でも音が埋もれにくい。
BLUES
BLUESは名前の通りBOSSのベストセラーエフェクト”BD-2 ”に似たサウンドで、ミドルが控えめのジャキっとしたサウンドが特徴で、ギター側のボリュームを絞るときれいに歪みの量が減っていく。
現在販売されているME-80のようなマルチエフェクターにもこのBD-2をモデリングしたサウンドがあるが、デジタルとアナログの違いからなのか、ME-30のBLUESのギターボリュームに対する追従性はそれらとは全く違った。
CRUNCH
CRUNCHのエフェクトはコンパクトエフェクターに例えるのが難しく、
敢えて言えばBD-2の低音域が削られ、歪みもおとなしくなったようなエフェクトだった。
初めてBD-2のサウンドを聴いた人は”ブルース”と聞くわりにかなりハイゲインなエフェクターだと驚いた人も多いと思う。
筆者のそのうちの一人で、もう少し控えめな歪みでドンシャリ過ぎないサウンドが欲しい人間はこのドライブサウンドがかなりおすすめだと思う。
HARD
HARDは”THE ディストーション”といったサウンドでBOSS DS-1サウンドを見事に表していると思う。
低音域が削られたハイゲインなサウンドはあの”ニルヴァーナ”のギター&ボーカルのカートコバーンも愛用していたエフェクターだったらしい。
余計な削られるため、深く歪ませてもバンドアンサンブル内でも抜けてくるサウンドになるため実戦でも使いやすいディストーションだと思う。
METAL
METALはBOSSのコンパクトエフェクターで一番売れているBOSS MT-2を再現している。
筆者はメタル系のディストーションはあまり好きではないため、ハイゲインなサウンドについてはあまり詳しくコメントできないがこのMETAL、歪みを最小近くまで絞るとVINTとはまた違ったクランチサウンドが得られる。
こういった使い方をしてもちゃんと使えるサウンドになるのはアナログ回路ならではだと感じる。
デジタル回路でのディストーションはディストーションをgain最小値で使おうとすると、蚊が鳴いたようなか細い歪みサウンドになることが多々ある。
著者は古いマルチエフェクターが大好きなため数多くのマルチエフェクターを試してきた中での結論なので自信をもって言える。
FUZZ
最後のFUZZだが、これについてはよくわからない・・
現行機種のFZ-5でもないし(そもそもFZ-2自体がCOSM技術によるモデリングファズ)
ただTONE BENDERのようなはっきりとした高音が出るFUZZでもないし
かといってBIG MUFFのような轟音系でもない
敢えて言えばFUZZ FACEのサウンドにちかい。
取扱説明書内でも”ブーミーでありながら歯切れのさも兼ね備えた新しいタイプのFUZZ”と記載されている。
大体ブーミーと記載されていればFUZZ FACE系かなと思うのだがちょっとこれは違う。
口では説明が難しいためぜひ実際に触ってみてほしい。
ME-30に関する動画
【22年前】高校生の時に買ったギターマルチエフェクターを今さらタメシビキ!BOSS ME-30 【まだ使える?】
比較的最近の動画ですが、
サウンド自体は現在でも十分通用するようなクオリティだと思います。
まとめ
今回はME-30 の紹介となっていたが、
魅力的な要素が多すぎて歪みエフェクトの部分しか触れることができませんでした。
コーラス部分はBOSSのビンテージコーラス”CE-2”のようなエフェクトが搭載されていたり
まだまだME-30の魅力は尽きません。
BOSSのエフェクターに興味はあるけどそれぞれどんなエフェクターなのか知りたいというギタリストはぜひ試してほしいと思います。
内蔵エフェクトは現在でもコンパクトエフェクターとして購入できるものも多くあるため、そういった「コンパクトエフェクター購入のガイドライン”的にこのマルチエフェクターを購入してもいいと思う。
もちろんME-30単体でも実践の場で十分な戦力として使用できるエフェクターだと思うし、実際一部のプロギタリストで未だに愛用者がいるらしい。
現在中古市場でもかなり安価で大量に出回っているため
興味のある方はぜひ購入してみてほしいと思います。
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