ギタブロー

ギターのことや機材、バンドについて好き勝手語るブログです

BOSS ME-20 レビュー

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・概要

BOSS ME-20は2006年ごろに販売されていたマルチエフェクターで当時販売されていたME-50の廉価版という位置付けでラインナップされていました。

それに準じて機能も大幅に簡略化されています。

MEシリーズの中でも最小クラスのサイズと軽量さが特徴で、当時のスタジオミュージシャンもよく使用していたとネットの記事で読んだ記憶があります。(信用度低)

 

・ハードウェア面

外装はプラスチックではなくアルミを使用した金属製でジャック周りも後続のME-25やGT-1のような基盤からそのまま突き出た方式ではなく、しっかりと金属ナットで固定されたものであるためシールドの抜き差しによる基盤剥がれなどのトラブルが起きにくい構造となっており耐久面で優れています。

モニターは7セグメント方式ですが、搭載エフェクトは本体表面に記載されており、それぞれに番号が割り振られているためモニターの情報量の少なさでも分かりやすい工夫が施されています。

音作りに関しても4つのツマミと4つのスイッチでエフェクトの選択&音色調節がしやすく少ないコントロール系ながら操作性に重きを置いている印象を受けます。

非常に軽く、ギターポケットに入るサイズ感の為運搬性はGT-1と同レベルに優秀です。

 

・ソフトウェア面

内蔵エフェクトは非常に少なく、歪みエフェクトに関しては5つのみと非常に潔い仕様になっており、コンプと歪みは同時使用不可となっています。

また空間系もディレイとリバーブは同時使用不可能でMOD系はピッチ系のエフェクトが搭載されていないのが残念です。

アンプシミュレータは非搭載ですがphone端子からの出音はline出力用に自動チューニングされており、アンプ使用時とヘッドフォン使用時でわざわざ出力先の再選択を行わなくても良い点は便利です。

側面のcontrolジャックから別途フットペダルを使用する事で同プリセットから音量とゲイン量を上げたブーストモードを演奏中追加することが可能です。

フットペダルはME-50から採用されている、通常はボリュームペダルからの踏み込みでワウペダルに切り替わる仕様になっており、ZOOMのマルチでは未だに搭載されていない便利機能がこちらでも採用されています。

フットスイッチは3つで3パッチ切り替え方式と歪み・mod・空間をそれぞれon off出来るマニュアルモードがあり、特にこのサイズ感にして3パッチ切り替えは便利な使用です。

 

・歪みエフェクト

オーバードライブ

ブルースドライバー

ディストーション

メタル

ファズ

の5種類のみとかなり簡素ですが、それぞれ及第点に達したレベルなので、4バンドイコライザーと組み合わせることで今日の無駄に多くのエフェクトを搭載したマルチエフェクターよりもよっぽど使える印象です。

ただコンプと組み合わせてローゲインかつロングサスティーンなサウンドを作るにはエフェクト不足感が否めません。

 

・その他エフェクト

それぞれ基本的なエフェクトは搭載されているものの、オクターバーやピッチシフターが非搭載の為それらを多用するリードギタリストについては機能不足です。

ディレイとリバーブがどちらか一方しか使えない点はアンプのリバーブ使用などで対応出来るので著者はあまり困りませんでした。

普段使用する90%の音は出来るといった感じですが、残りの10%の音色に対してエフェクト不足による再現が出来ないのは歯痒い所です。

 

・まとめ

ME-20は実戦で使用するであろう9割方のサウンドは再現可能でメロコアやパンクギタリスト、またはギターボーカルなど特殊なエフェクトを使用しないギタリストには特にお勧めできるモデルとなります。

最近のマルチエフェクターのセールスポイントである"搭載エフェクトの多様さ"で勝負しておらず、エフェクト数は限られているが"曲やフレーズごとに細かく設定値を変える"プレイヤーには無駄なエフェクトが搭載されてない分その他に長けた(音作りの簡易さ、運搬性)ものとしてアイデンティティを確立していると思います。

同じサイズ感でも現行品でGT-1やZOOMのG2fourなどは搭載エフェクトや機能が多く、液晶モニタで情報量を補完しているものの音作りの煩雑さ(多様性とも言えるが)が見受けられる。

ギタリストが求めている音色は思っているほど多様では無く、ある程度の正解が決まっていると思う。それに対して今のマルチエフェクターは機能過多感が否めない。嫌な言い方をすれば下手な鉄砲数撃ちゃ当たる方式で無作為にエフェクトを詰め込んだ印象。

言い換えれば求めている音色のストライクゾーンは昔からそんなに広がっていないのに多数のボール球に埋もれてしまったエフェクトの中から自分の求めているエフェクトを探し出すだけで時間がかかってしまう。

そんなことならME-20の様に使えるエフェクトだけを最低限搭載された物の方が道具としてはるかに優秀な印象を受ける。

以上著者個人的な苦言ではあるが、音質やワイヤレス、タッチパネルなどの品質向上は多いに歓迎だがこういった側面のデメリットを解消したモデルが現行で販売されないかと期待している。

現状この様なニーズに応えられているマルチエフェクターはME-20を含めかなり限られていると思う。

もし同じ様な考えでマルチエフェクターをら探されている方がいれば本機はかなり理想に近いモデルになると思う。

BOSS ME-90 レビュー

・概要

ME-90は2023年から販売されたMEシリーズのフラグシップ&最新機種(2024年4月時点)で、最大の特徴はBOSSの30年以上のマルチエフェクターの歴史の中で長らく使われてきたCOSM技術からAIRD技術と言うものに取って代わられた点において歴史的な機種になる。

このAIRD技術は同時期機種のGT-1000やGX-100にも使用されているが、ME-90はその中で1番安価にAIRD技術を体感できる機種になる。

 

・ハードウェア面

外観はぱっと見前機種のME-80を彷彿とさせる見た目が特徴だが、

ME-80が重量3.6kgなのに対し

ME-90は重量2.9kgと約700g軽量化されている。

→ボスコンが1つ大体400gほどなので1.5個分軽くなる計算になり、GT-1000など最近のマルチエフェクターは大型化&重量増という流れからフラグシップモデルでありながら小型化&軽量化を目指してる点はgood。

オプションでBluetooth® Audio MIDI Dual Adaptor(BT-DUAL)を接続することで今までは有線で音源の再生やPC上での音作りがワイヤレスで行う事が出来るようになった。

→オプションで5000〜6000円も別売りで買う必要があるかは少し疑問である。(購入した上での意見)

MEシリーズ初のsend return端子が追加された事で外部からコンパクトエフェクターがME-90エフェクト内に組み込めるようになった(接続位置はOD/DSエフェクトとPRE AMPエフェクトの間)

→搭載されていないエフェクトを外部から取り込む事が出来るため機能補完の点で優秀であり、無いよりある方が絶対良いのだが、MEシリーズのコンセプト&購入するターゲット層的にどこまで価値があるかは疑問。

ME-80の乾電池6本使用からME-90は乾電池4本使用に変更(アルカリで6.5時間)

→乾電池をヘビーユースする際、充電池を使用する人が大半だと思うが、充電本数が4本か8本単位での充電器が多いので6本から4本は地味にありがたい。持続時間も必要十分。

ampかlineオーディオか出力先選択切り替えスイッチ増設

→前機種は搭載されていなかったが、phone/line out端子に接続すればそれに応じた出力に変更された。おそらく宅録用などで本機はギターシールドからのout put端子からでもline出力が出来るようにしたのではないかと推察。

 

と見た目が似ている前機種のME-80と比較してもかなりの変更部分があり、概ねグレードアップされたと言った印象。

ただし増設された機能が数多くあるため、過去のMEシリーズのコンセプトの一つである操作性の良さが少し損なわれている様に思える。

簡易な操作性を求めるならME-80の方に軍配が上がる。

 

・ソフトフェア面

なんといってもCOSMからAIRD技術への変更点が大きいが注意点はAIRD技術はプリアンプ部分に使用されてる。(機種によるがCOSMはプリアンプとOD/DSエフェクトにも採用)

COSMとAIRD技術の相違点は

COSM

サンプリング周波数:44.1kHz

DA変換:24bit

AIRD

サンプリング周波数:48.0kHz

DA変換:32bit  (AD変換はME80と同数の24bit+AF方式)

内部演算:32bit浮動小数点 (me80は記載なし)

となっている。

それぞれのスペック表をそのまま記載しただけであまり理解出来てないのが正直な所。

サンプリング周波数やAD/DA変換時のスペック数が上がっているので、より原音(デジタル化によって音が変化してないと言う意味)に近いサウンドなのだと認識してる。

その他エフェクトもGT-1000からのエフェクトを継承とあるので、前機種のME-80のエフェクトを使い回ししてるわけではなさそう。

アプリ上でエフェクトやプリアンプを追加可能。

→便利な機能だが、MEシリーズとして出すのであれば元から搭載されてるか無くても良いのではと思う。機能が増えるメリットよりも使用用途がどんどん複雑化されていくデメリットの方が大きく感じる。外部IRデータの取り込みなども同様。

→これらの現代的な機能を当たり前のように使いこなせる若いプレイヤーなどは異なる印象なのかもしれないが、著者(30代)には必要に感じない(少なくてもMEシリーズには)と感じてしまう。

 

・プリアンプ

ME-80ではマーシャルやフェンダーアンプなど代表的なアンプのモデリングが搭載されていたが、ME-90はそれに加えて名称の前段にXが付けられたシリーズのアンプモデリングが搭載されている。

特にnaturalやx-crunchなどのプリアンプはリアルなアンプサウンドにより近づいた印象。

その他のモデリングは前機種とそれほど差を感じられなかった。

AIRD技術を使用したプリアンプという事で期待も大きかったがデジタル特有の高音域の出音具合は相変わらずな印象。

この辺りは最近のZOOMのモデリング技術の方が頑張っている様に思える。

 

・OD/DSエフェクト

こちらはGT-1000シリーズから継承されたサウンドと銘打垂れているが、ME-80とサウンドは殆ど変わらなかった。

進化したかと言う点では残念な意見だが、そもそも後期COSM技術から歪みサウンドは実践に十分なクオリティなので使えないと言う意味ではない。

ME-80に搭載されてたOD-2とOCT FUZZが表上無くなり(アプリ上で入れ替え可能)され、新たにCENTA OD (ケンタロス系)とMUFF FUZZ(BIG MUFF系)が追加された。

個人的にはOD-2のドライブサウンドが好きなので残念だがケンタ系のオーバードライブも好きなのでまあOK。ファズも普段あまり使用しないのでまあどちらでもと言った感じ。

ただローゲインオーバードライブ系とディストーション系により2極化した印象なのでOD-2やガバナーモデリングはレギュラーメンバー化しておいた方が良かったと思う。

 

・その他のエフェクト

エフェクトの質自体に大きく変化はないが、COMP/FX1のカテゴリにピックアップシミュレータが表上で排除されたのは個人的に痛い点であったが(アプリ上では入れ替え可能)。代わりにTUNN DOWNが搭載された事でギター側でチューニングしなくても半音下げチューニングサウンドなどが出来る様になったのは大変便利。

 

・まとめ

ME-90はアプリを使いこなして使用する前提で考えると非常に優秀なマルチエフェクターと言える。

ただ使用感が簡単だとかME-80から音質面で驚く様な進化があったかと言う面で期待が大きかっただけに辛口なレビューになってしまったが、現行機種で初めてのマルチエフェクター選びと言う点ではお勧めできる機種ではある。

ただより簡単な操作性や金銭的な面から見た場合に前機種のME-80もまだまだ魅力ある選択肢に入ると思う。

個人的はME-80所持者はME-90に買い替えなくても良く、買い替えるとしたらタッチパネルやアサイン機能などGT-1000やGX-100などシステム形態が異なる機種への変更(必要と感じるプレイヤーに)が良いのではないかと思う。

BOSS GT-6 レビュー

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・概要

GT-6は2000年初期に販売されたギター用マルチエフェクターで、それまでのGTシリーズからデザインやシステムが一新されたものになっています。

COSM技術がアンプシミュレータだけでなく歪みエフェクターにも採用されています。

特にアンプシミュレータやアナログライクなつまみなど当時の音楽シーンの需要に合わせているような印象をうけます。

 

・ハードウェア面

シャンパンゴールドのボディ色と多数の物理つまみがつけられた外観が目を惹きます。

当時のアナログ回帰の風潮に沿ってコンパクトエフェクター感覚で操作できるように再設計されたようです。

ただし、MEシリーズのものとは異なり、このつまみだけで音作りを完結する事はなく、例えば歪みエフェクトのカテゴリーだとつまみは使用ペダルの選択、GAIN、VOLUMEにバリュエーションのスイッチのみでtrebleやbassなどの細かいイコライジングはシステムの中まで入らないと出来ません。

他のエフェクトにも同様のことが言えるため、やや中途半端な設計の印象を受けます。

メーカーの狙いとしては自宅などで細かい設定を行い、現場で変更頻度の高いパラメータを表のつまみに置き、瞬時に変更出来るようにしたと言う意図は感じられます。

ただロータリーエンコーダー系の部品は故障が多く、分解する時にもその数だけ労力も掛かるのでこれを良い点or悪い点と考えるかは人によると思います。

前機種のGT-3からサイズアップ、重量も4.7kgと重くなりました。

専用アダプターも300〜400gほどある為実質5kg超となります。

重量がある方がステージでワウペダルなど行う時エフェクターがズレて動いたりすることが少なくなるのでその点は良いですが、やはり問題は運搬性に問題が出てくることです。

最新機種のGT1000やME90などと比較しても重く、GTシリーズの中でも最重量級なのでこれを手に持って街中を歩き回るのは正直しんどいと思います。

 

・ソフトフェア面

GTシリーズは電源をONにした時、メモリの保護のためしばらくロード時間が掛かります。

GT-3では7〜8秒掛かっていたのが半分位のロード時間に短縮されています。

ワウとボリュームペダルの同時使用が可能になり、ペダルの踏み込みによってワウやその他アサインした任意の切り替えが可能になりました。

本機からはモデリングを重視しているためか、アンプシミュレータや歪みエフェクターの名称がより具体的になり、特に歪みエフェクターはBOSSの歪みに加え、RATやガバナーなど代表的なエフェクターモデリングが搭載されています。

エフェクトカテゴリにfx1とfx2というカテゴリが出てきたのは良いのですが、compとピックアップシミュレータが同時使用できないなど前機種より同時に使用できるエフェクト数が減ったのはかなり疑問です。(前後の機種はcompは専用カテゴリーになってる)

 

・アンプシミュレータ

本機からエフェクター前面に専用の物理つまみが設置され、モデリングアンプも各メーカー×3種類のバリュエーションを搭載、スピーカーシミュレータも有りと前機種から1番の進化を果たしている部分になります。

音のクオリティについては今聴くと何となく雰囲気は出ているといった感じで、歪みとして気に入るかどうかで判断するのが良いと思いますが、著者は基本的にアンプシミュレータを使用せず実機アンプをそのまま使いたい派なのでわざわざ使う程のものではないと思います。

カスタムアンプなるものが搭載されておりベースとなるアンプモデリングに自分好みのイコライジングを施し歪みの特性そのものを音作り出来るモードもあるのは面白いと思います。

 

・歪みエフェクト

OD-1やDS-1などBOSSのエフェクターモデリングが搭載されている為、音のイメージが付きやすくBOSSのエフェクターを駆使し出来るマルチエフェクターとしてのアイデンティティが出てきた様に思います。

またRATやガバナーなど代表的なエフェクトもある為、モデリング数としては必要十分な数だと思います。

ただ本機からCOSM技術によるフルデジタル歪みとなるので、この音を気にいるかどうかは好みが分かれると思います。

全体的にハイファイ(現行機種からすればローファイですが)になり、よく言えば繊細で煌びやかなサウンド、悪く言えば線が細く軽い音になりました。

クリーンからオーバードライブ系の歪みは中々良いのですがディストーション系の音が使いづらくデジタル特有の耳障りなハイの成分をどう対処するかが課題になりそうです。

COSM技術の歪みは長らく続き同世代ではOD-20やME-50などが同じくCOSMの歪みを搭載していますが、そのクオリティは歴然としており個人的にはGT-6<ME-50<OD-20との評価です。(全機種入手済み)

なので特に最近のME-80やGT-100などの最新COSMとは別物と考えるのが吉だと思います。

ただこの機種はカスタムディストーションが搭載されており、歪みの特性を自分好みに設定出来る点は良い点だと思います。

あと何故がカスタムディストーションモードのベースとなる歪みを選択する際、元々のモデリングには搭載されていなかったdistortion2と言うエフェクトがディストーションサウンドで1番良い音に思いました。

当時としてはフラグシップモデルでプロでも使用するギタリストがいたことから自分の使用方法に問題があるのではないかと模索(当時の2ch掲示板のレビュースレを数年に渡り遡る、使用ギタリストのブログ参照など)行うと、当時のプレイヤー間ではアンプシミュレータと歪みエフェクターの組み合わせて音作りを行うのが最適との声が多数上がっていました。

実際にやってみるとアンプシミュレータの歪み+ゲイン0のオーバードライブでブーストなどのやり方の方が中音が押し出されたスムーズなディストーションサウンドが作れるようになりました。

ただそうなると実機アンプとアンプシミュレータと歪みエフェクターの3点の音色の組み合わせとなる為、音作りの難易度が跳ね上がる事が懸念されます。

この辺りは音作りを簡素化したい著者のニーズには合わない結果になりました。

 

・その他エフェクト

ワウペダルにもモデリングが搭載され数種類と数は少ないですが選択の幅が広がったのは良い点です。

ディレイに専用tapスイッチが搭載された為tapスイッチとfeedbackつまみ、levelつまみで内部まで入らなくてもざっくりと音作りが出来るのは良い点だと思います。

 

・まとめ

BOSS初のフルデジタルマルチエフェクターという事もあり、まだまだ発展途上なイメージが残るGT-6で全体的に酷評なレビューとなってしまいましたが著者は不思議と嫌いになれない機種になります。

と言うのも今回はシングルコイルのギターでの判断でしたが、昔p90のピックアップで音作りしていた際は上記のような歪みエフェクターの悪い部分がそれ程感じられなかったため当たり前ですが使用ギターや実機アンプによっても評価がガラリと変わってしまった例なのかなと思うからです。

なので本機の音作りや実機アンプのイコライジングをもっと突き詰めればどうなるかとポテンシャルを引き出したくなる機種だと思いました。

BOSS GT-3 レビュー

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・概要

BOSS GT-3は1990年台に販売されたマルチエフェクターで初代のGT-5からの第二世代の後継機になります。

 

GT-5からの変更点として、

 

パッチ変更のフットペダルが5→4つへ

bankアップ&ダウンペダルの増設

4.7kg→4.0kgへの軽量化(gt-1、gt-1000に次いでシリーズ軽量)

本体とアダプターがセパレート

カスタムディストーションがオミット

 

になります。

 

GT-5と見た目もよく似ており、小型化された部分がフォーカスされるので機能的に劣る部分もあります。

 

・ハードウェア面

現在の機種と違い、この頃のマルチエフェクターはそもそものエフェクト数が少ないため歪みエフェクトとアンプシミュレータを除くとコーラスやディレイなどは1種類しかエフェクトが搭載されていません。(アナログディレイ、デジタルディレイなどの選択肢がない)

 

また基本的に同じエフェクトの重ねがけも例外を除いて不可です。

 

しかし、その分音作りに迷いが少なくなるためエフェクターの前面に各カテゴリーにアクセス出来るスイッチが出ているため、音作りにおいて非常に楽に感じます。

 

 

・ソフトフェア面

cosm搭載のGTシリーズはなぜか次機種のGT-6からのイメージが強いですが、実はGT-5から搭載されています。

 

なぜこのイメージがついたのかと推察すると、GT-6はアンプシミュレーター&歪みエフェクターの両方にcosm技術を搭載した初機種だからだと思います。

 

一方こちらのGT-3はアンプシミュレータはcosm技術ですが、歪みはアナログ回路で構成されています。

 

この機種はフットペダルがとにかく残念で、今では当たり前の踏み込んでエフェクトONの機能がありません。

 

なのでワウペダルなどをアサインするとパッチ変更した時点でワウがオンの状態にしておくかCTLペダルでワウのONOFFをアサインしておかないといけません。

 

一応ペダルを、100%踏み込んだ時に任意のエフェクトをオンにする事は可能ですが、ワウペダルに踏み込むわけではないので、ワウペダル使用中は0〜99%の範囲で操作(非現実的)で行わないと途中でONOFFが切り替わります。

 

また他のブログでも言及されていましたが、本機は入力インピーダンスの設計上入力ゲインが低く設定されているみたいで、他の機種より歪みがローゲインな傾向にあります。

 

古い機種なのでパッチ変更時のタイムラグが少し気になります。

後のGT-6では大分改善はされています。

 

 

・アンプシミュレータ

アンプシミュレータは新しい機種になるにつれてそのクオリティも良くなっていく傾向にあります。

 

本機はまだその発展途上なので現行機種のサウンドを期待するとがっかりすると思います。

個人的にはアンプシミュレータは使用しない主義なのでとくに困りませんが。

 

あえて使用するとすれば

JC-120は自宅でライン録りやヘッドフォン使用時にJC-120をつないだ想定で音作りをする時に用います。

それでも実機を使用するとギャップはありますが。。

 

その他で使えるとすればBG DRIVEが比較的ハイクオリティな歪みが得られると思います。

 

 

・歪みエフェクター

上でも言及しましたが、入力ゲインの関係上全体的にローゲインな傾向にあります。

 

シングルコイルギターでの検証ですが

vintage overdriveが芯がありアナログならではのハイクオリティな歪みペダルなのですが、ゲインをmaxにしても殆ど歪みません。

 

OD-2がオーバードライブ系ペダルの中ではハイゲインな方ですが、こちらもゲインmaxでパワーコードがなんとか演奏出来るレベルです。

 

一方ディストーション系は素晴らしく

distortion1 2はそれぞれドンシャリ系、ハイに寄った芯のある歪み

grangeはメサブギーのようなレクチ系のローを削ったようなサウンド

かなり良い線をいっています。

 

課題はあまり歪まないオーバードライブとディストーションの間のサウンド

OD-2の前段にブースター的なものをかませてハイゲイン化するか、ディストーションのゲインを下げて使用するかで工夫が必要でこの点だけが非常に惜しいポイントかなと思います。

 

 

・他エフェクト

ディレイペダルは1種類のみの搭載で少し物足りないイメージもありますが、high cutフィルターが搭載されているためアナログ風のサウンドにも出来るためそこまで不満はありません。

 

リバースディレイやmodディレイなどはないですが滅多に使用するものでもないので不便に感じませんでした。

 

ワウペダルの可変幅調整や選択肢がないのは少々痛いですが、そもそも踏み込みがない点が致命的なのでワウペダルを多用するプレイヤーは要注意です。

 

compはmxrのコンプのような感じではなく、自然なかかりなものなので、パコパコ系が好きなギタリストには合わないと思います。(GT-8以降はdyna compのモデリングも搭載)

 

その他も最低限のエフェクターが搭載されている感じでこれをもの足らないと感じるか、音作りの邪魔にならないかと捉えるかは人それぞれだと思います。(著者は後者)

 

 

まとめ

搭載エフェクトは少ないですが、アナログの歪みに簡素な操作系でマルチ本来の無難な音作りを目指す方には良いエフェクターだと思います。

 

今の機種はエフェクト数だけ多く無駄なパラメーターやシステムがこれでもかと搭載されており、音作りや操作の邪魔になる場面が多々あります。

 

そういう点に嫌気がさしてる方には理想に近い機種なのかもしれません。

BOSS ME-33 マルチエフェクターレビュー

ME-33 BOSS に対する画像結果

みなさんはBOSSのME-33という機種をご存知でしょうか?

BOSSというとエフェクター界の重鎮で誰しもが知るメーカーです。

 

コンパクトエフェクターばかりではなく、GTシリーズやMEシリーズといったマルチエフェクターのラインナップも取り揃えられており、もはや知らない人はいないのではないでしょうか?

 

その中でもマルチエフェクターシリーズの一つであるMEシリーズはME-80という機種が唯一現行機種で、その操作性の良さと音の良さから販売から長らく人気の機種になっています。

 

ME-33という機種はそのもっと前世代の機種にあたるマルチエフェクターなのですが、

知らない人も多いちょっとレアな機種だったりします。

今回はそんなBOSS ME-33の紹介をしていきたいと思います。

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ZOOM 2020 ビンテージマルチの再レビュー

 


過去にもこのZOOM2020を扱った記事があったのですが、また手元に戻ってくる機会があったので再度レビューの方をしていきたいと思います。

 

gitarou.hatenablog.com

 

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BOSS ME-20はマルチの完成形か?

先日古いマルチエフェクター”BOSS ME-20”を購入しました。



MEー20といえば2007年前後に販売されていたマルチエフェクターで、当時のBOSSの最小のMEシリーズだったと思います。

のちに後継機種のME-25が出たかと思えば、GT-1にそのポジションも譲り渡し、現在販売されているME-シリーズはギター用でME-80のみになります。

 

今回はそんなME-20の改めて良い点を紹介していきたいと思います。

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