ギタブロー

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BOSS GT-3 レビュー

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・概要

BOSS GT-3は1990年台に販売されたマルチエフェクターで初代のGT-5からの第二世代の後継機になります。

 

GT-5からの変更点として、

 

パッチ変更のフットペダルが5→4つへ

bankアップ&ダウンペダルの増設

4.7kg→4.0kgへの軽量化(gt-1、gt-1000に次いでシリーズ軽量)

本体とアダプターがセパレート

カスタムディストーションがオミット

 

になります。

 

GT-5と見た目もよく似ており、小型化された部分がフォーカスされるので機能的に劣る部分もあります。

 

・ハードウェア面

現在の機種と違い、この頃のマルチエフェクターはそもそものエフェクト数が少ないため歪みエフェクトとアンプシミュレータを除くとコーラスやディレイなどは1種類しかエフェクトが搭載されていません。(アナログディレイ、デジタルディレイなどの選択肢がない)

 

また基本的に同じエフェクトの重ねがけも例外を除いて不可です。

 

しかし、その分音作りに迷いが少なくなるためエフェクターの前面に各カテゴリーにアクセス出来るスイッチが出ているため、音作りにおいて非常に楽に感じます。

 

 

・ソフトフェア面

cosm搭載のGTシリーズはなぜか次機種のGT-6からのイメージが強いですが、実はGT-5から搭載されています。

 

なぜこのイメージがついたのかと推察すると、GT-6はアンプシミュレーター&歪みエフェクターの両方にcosm技術を搭載した初機種だからだと思います。

 

一方こちらのGT-3はアンプシミュレータはcosm技術ですが、歪みはアナログ回路で構成されています。

 

この機種はフットペダルがとにかく残念で、今では当たり前の踏み込んでエフェクトONの機能がありません。

 

なのでワウペダルなどをアサインするとパッチ変更した時点でワウがオンの状態にしておくかCTLペダルでワウのONOFFをアサインしておかないといけません。

 

一応ペダルを、100%踏み込んだ時に任意のエフェクトをオンにする事は可能ですが、ワウペダルに踏み込むわけではないので、ワウペダル使用中は0〜99%の範囲で操作(非現実的)で行わないと途中でONOFFが切り替わります。

 

また他のブログでも言及されていましたが、本機は入力インピーダンスの設計上入力ゲインが低く設定されているみたいで、他の機種より歪みがローゲインな傾向にあります。

 

古い機種なのでパッチ変更時のタイムラグが少し気になります。

後のGT-6では大分改善はされています。

 

 

・アンプシミュレータ

アンプシミュレータは新しい機種になるにつれてそのクオリティも良くなっていく傾向にあります。

 

本機はまだその発展途上なので現行機種のサウンドを期待するとがっかりすると思います。

個人的にはアンプシミュレータは使用しない主義なのでとくに困りませんが。

 

あえて使用するとすれば

JC-120は自宅でライン録りやヘッドフォン使用時にJC-120をつないだ想定で音作りをする時に用います。

それでも実機を使用するとギャップはありますが。。

 

その他で使えるとすればBG DRIVEが比較的ハイクオリティな歪みが得られると思います。

 

 

・歪みエフェクター

上でも言及しましたが、入力ゲインの関係上全体的にローゲインな傾向にあります。

 

シングルコイルギターでの検証ですが

vintage overdriveが芯がありアナログならではのハイクオリティな歪みペダルなのですが、ゲインをmaxにしても殆ど歪みません。

 

OD-2がオーバードライブ系ペダルの中ではハイゲインな方ですが、こちらもゲインmaxでパワーコードがなんとか演奏出来るレベルです。

 

一方ディストーション系は素晴らしく

distortion1 2はそれぞれドンシャリ系、ハイに寄った芯のある歪み

grangeはメサブギーのようなレクチ系のローを削ったようなサウンド

かなり良い線をいっています。

 

課題はあまり歪まないオーバードライブとディストーションの間のサウンド

OD-2の前段にブースター的なものをかませてハイゲイン化するか、ディストーションのゲインを下げて使用するかで工夫が必要でこの点だけが非常に惜しいポイントかなと思います。

 

 

・他エフェクト

ディレイペダルは1種類のみの搭載で少し物足りないイメージもありますが、high cutフィルターが搭載されているためアナログ風のサウンドにも出来るためそこまで不満はありません。

 

リバースディレイやmodディレイなどはないですが滅多に使用するものでもないので不便に感じませんでした。

 

ワウペダルの可変幅調整や選択肢がないのは少々痛いですが、そもそも踏み込みがない点が致命的なのでワウペダルを多用するプレイヤーは要注意です。

 

compはmxrのコンプのような感じではなく、自然なかかりなものなので、パコパコ系が好きなギタリストには合わないと思います。(GT-8以降はdyna compのモデリングも搭載)

 

その他も最低限のエフェクターが搭載されている感じでこれをもの足らないと感じるか、音作りの邪魔にならないかと捉えるかは人それぞれだと思います。(著者は後者)

 

 

まとめ

搭載エフェクトは少ないですが、アナログの歪みに簡素な操作系でマルチ本来の無難な音作りを目指す方には良いエフェクターだと思います。

 

今の機種はエフェクト数だけ多く無駄なパラメーターやシステムがこれでもかと搭載されており、音作りや操作の邪魔になる場面が多々あります。

 

そういう点に嫌気がさしてる方には理想に近い機種なのかもしれません。

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