前の記事にギターやバンドのモチベーション維持のためにこのようなバンドマンガの紹介記事を書きましたが、今回はその小説バージョンでご紹介させていただきます。
階段途中のビッグ・ノイズは「陽だまりの彼女」でも有名な越谷オサムさんが作者の1990年台を舞台にした青春バンド小説となります。
※以後一部ネタバレになるので注意してください。
物語の概要
小説の始まりは高校二年生となった主人公”神山啓人”が廃部が決定した軽音楽部の部段(部室はなく階段で部活動をしていました)の片づけをしているところから始まります。
かつてこの高校のOBであった兄の文化祭のライブ姿に憧れ、この高校に受験したのに待っていた現実はすでに荒廃した軽音楽部の姿でした。
部員は自分を含め3人(うち二人はろくに活動もしない先輩部員)しかおらず、神山啓人は入部から1年間、階段でギターアンプからも音を出さずに(先輩に禁止されていた)たった一人練習にいそしんでいました。
一年ほどたった後、部段の埃のせいか、ある理由で校長から廃部と言い渡され、思い描いていた理想とはかけ離れた現実のためなのか、洟をすすりながら部段の整理をする神山啓人のもとに現れたのはかつての部員であった”九十九伸太郎”の姿であった。
というところから物語が始まっていきます。
物語の流れとしては
・部の廃部取り消しを講義
↓
・メンバー・顧問探し
↓
・活動・恋愛・トラブル
↓
・ 文化祭ライブ
と、部活青春物の王道中の王道の内容となっています。
作中には”Green Day” や ”KISS” など実在するアーティストの楽曲も登場し、物語を読んでいるとその楽曲がBGMのように頭の中で再生される場面も多々あります。
また、ギターなどの機材のメーカー名がちょこちょこ出てくる部分はギターをやる者にとってはニヤリとするところでもあります。
・見どころとして
部活動を行うことをよく思っていない教師との対立
クラスメイトの女子に抱く淡い恋心
バンドメンバーや顧問教師の個性的なキャラやそのバックヤード
学際に向けてひたむきに部活動を行う姿
などバンド活動だけでなく学園生活ならではの事件や恋愛などにも触れられており、
まだ高校生になっていない方には高校生活にあこがれを、
高校を卒業された方にとっては懐かしさやノスタルジックな気持ちにさせてくれる作品だと思います。
とにかく物語としては王道で、それ故のまっすぐでわかりやすく、物語に入り込みやすい内容となっているので普段小説を読まない方にとっても非常にお勧めできる小説となっています。
また、自分は読んだことはありませんが
この”階段途中のビッグ・ノイズ”にはコミックバージョンもあるみたいですね。
機会があれば読んでみたいと思います。
階段途中のビッグ・ノイズ 1巻 (デジタル版ビッグガンガンコミックス)
- 作者: 越谷オサム『階段途中のビッグ・ノイズ』(幻冬舎文庫),亀屋樹
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2014/01/31
- メディア: Kindle版
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