前回の記事で、初心者の方に向けておすすめの歪みエフェクターを紹介させて頂きました。
今回はそのディレイペダルバージョンになります。
ディレイとは、、
ディレイとはギターから入力されたサウンドに遅れて音を出音する残響系のエフェクターとなります。
つまりやまびこのように音が反響して聴こえるような効果が得られるエフェクターです。
ここまでの説明を聞くと、ロックサウンドに必要不可欠な歪みエフェクターと比較してあまり使わなそうな気がする方もおられるかもしれません。
しかしディレイペダルはギタリストにとってエフェクターの三種の神器の一つとして数えられるくらいギターサウンドにおいて必要不可欠なエフェクターになります。
(ちなみに他は歪みエフェクターとワウペダルと言われています。)
そんな実は重要なエフェクターの一つであるディレイペダルについてと、お勧めのエフェクターを紹介していきます。
なぜディレイはギターサウンドに必要なのか?
このエフェクターはリバーブと共に一般に残響系と呼ばれるジャンルで、基本的には残響音で空間の奥行きを作ることを目的として使用されます。
ですが、ディレイはそれだけの効果だけでなく、様々な用途があります。
たとえば、反響音の音量を大きめに設定する事で、自然界では起こり得ないトリッキーなサウンドを演出することが可能であること。
反響にかかる時間の間隔を極端に短くする事でまるで二人で同じフレーズを弾いてるような効果(ダブリング)を得ることができ、イコライザーなどを弄らなくても存在感のある太いサウンドにする事ができ、ギターソロなどに重宝します。
あまり知られていませんが、ダブリングによってサウンドの存在感を出す手法はレコーディングを行う場では一般的な手法として知られています。
ディレイを残響としてでしか利用してない方は是非この様な使い方も試してみてはいかがでしょうか?
ディレイの種類は大きく二つに分かれる
アナログ回路を使用した昔ながらの”アナログディレイ”
ディレイペダルの中でも歴史が古いのは”アナログディレイ”というディレイペダルでしょう。
BBDという精密機器が使われた種類のもので、さらに歴史の古い”テープエコー”というエフェクターの小型化に着手した結果誕生したエフェクターです。
サウンドのほうは残響音が演奏したサウンドに比べてくぐもって聴こえ、遅延させたサウンドというよりは、フィルターをかけたサウンドが繰り返されるといった表現のほうが正しいと思います。
ただ、残響音がだんだんこもって聴こえてくるという現象は自然的でもあり、今演奏しているギターサウンドを邪魔せず空間の広がりを表現できるという点から、現在でも人気のある機種になります。
しかし、デメリットも存在します。
基本的に古い技術のもののため、残響音の遅延時間の設定がデジタルディレイと比較すると短い、設定が細かくできないといった点。
リバースディレイや〇拍子のテンポでのディレイなどといったトリッキーなサウンドの表現ができない。
など欲しい機能が存在しない機種が多いことが挙げられます。
しかも、先ほど挙げたアナログディレイのメリットですが、デジタルディレイにもアナログディレイのサウンドをシミュレートしたサウンドを搭載したディレイペダルも数多く販売されているため、「デジタルディレイでシミュレートしたアナログディレイのサウンドでは満足できない「本物のアナログディレイの音が欲しい」といった方でなければ、特段アナログディレイをわざわざ購入する必要もないのかな?といった感想が正直なところです。
未だに進化し続ける”デジタルディレイ”
続いてはデジタルディレイです。
デジタルディレイのメリットといえば何といっても
「サウンドの幅と多機能さ」
にあるかと思います。
アナログディレイの最長ディレイ時間がせいぜい300~400msに対して、デジタルディレイは比にならないほど長い遅延時間の設定ができます。古いものでも800msほど、新しいものだとフレーズルーパーを搭載するレベル(分単位)まであるので、遅延時間が足りないといった問題は起こらないでしょう。
またディレイサウンドが逆再生で出力される”リバースディレイ”やコーラスサウンドを伴った”モジュレーションディレイ”などなど、残響音だけでなくトリッキーなディレイサウンドまで表現できるため、新たなフレーズのアイデアにも役に立つのではないかと思います。
デメリットとしては、
デジタル系のエフェクター全般に言えることですが、消費電力が比較的大きいため電池での使用には向いておらず、すぐに電池切れを起こしてしまう点。またメリットの点で話した”多機能さ”が逆にあだとなり、操作の煩雑さが挙げられます。
おすすめディレイペダル
BOSS/DD-3
まずはエフェクター界の定番、BOSSからのさらに王道ディレイペダル、DD-3Tを紹介します。
BOSSのディレイシリーズはDD-〇〇といった具合で丸の中に数字が入ってくるんですが、その数が多いほど基本的に新しい機種になります。2022年現在ではDD-8が最新のディレイペダルとなっていますが、このDD-3はそんな最新機種が出ているにも関わらず、今現在でも製造が続けられている超ベストセラ―の機種になります。
ディレイタイムは最長800msと現在のディレイペダルの中では比較的短いほうで、デジタルディレイのメリットでもある”リバースディレイ”などの+αとなる機能も搭載されていません。
ではなぜここまでロングセラー機種として販売され続けられているのか?
それは「操作のシンプルさ」にあるといえます。
ディレイサウンドのみのシンプルかつ無骨なスタイルは道具として必要十分であり、多くのギタリストがその使いやすさから愛用しています。
またディレイサウンドも現行機種ほどクリアなサウンドではなく、まるでアナログとデジタルのディレイの中間にあるようなサウンドと称されることが度々あることも人気の一つといえます。
BOSS/DD-8
こちらは、先ほどのDD-3とは打って変わって、超多機能なタイプの最新型ディレイ、BOSSのDD-8になります。
11種類のディレイ・モードを搭載しており、幅広い音楽ジャンルに使用できる王道的なサウンドから、新しいフレーズの助けとなるようなトリッキーなサウンドまで、多彩な音色を搭載しています。
またオーバーダブと外部コントローラーに対応したルーパーも備えているため、単なるディレイペダルとしてではなく、自分のギターサウンドをループさせることで、作曲に役立てたり、ギターソロ時のバッキング役として再生させるといったディレイペダルの役割を大きく凌駕した使用用途があります。
BOSS/re-2
アナログディレイの悦明欄でも紹介したテープエコーのシミュレーターです。
元はアナログディレイでしたが、こちらは最近その伝説の機種をBOSS自らがリメイクしたモデルになります。
現在この機種の元のモデルはプレミア価格で中古市場で取引されており、そのサウンドを手に入れることは非常にこんなんでした。
そんな中今年に入ってその製造元であるBOSSが自らRE-2としてデジタル技術で復刻させたこのエフェクターはもしかするとレギュラー販売ではなく、ある一定期間のみの販売となる可能性も今現在では否定できないため、気になる方はぜひとも購入しておくことをお勧めします。
BOSS/DM-2W
こちらも同じくBOSSからのエフェクターですが、この機種は過去伝説のモデルとなったDM-2のリメイク&強化版になります。
本物のアナログ回路で構成されており、技クラフトという名前の通り、BOSSエフェクターの中でもハイグレードの機種となっております。
元の機種には存在しなかった2モードのディレイサウンドを選択できるスイッチも搭載し、操作のしやすさだけでなく、ディレイサウンドのバリエーションの幅広さにも実践的な機種となっています。
electro harmonix/memory toy
ビッグマフなどでも有名なエレクトロハーモニクスから販売されているアナログディレイメモリートイも紹介します。
こちらは純粋なアナログディレイでありながら、モジュレーションモードを搭載した珍しいモデルであり、また裏板を外した基板内部にあるトリマーを調整することでエフェクトをオンにした際のギターのボリュームを調整できるといったユニークな面ももちあわせています。
またこの機種はグレードがあり、上にまだ2段階上位機種が存在します。
line6/DL4 MkⅡ
こちらはプロの現場でもよく見る定番ディレイペダル
LINE6のDL4の最新機種になります。
今現在ではDL4は製造修了となっており、多くのプロギタリストから惜しむ声がきかされました。
何といっても高品質なディレイサウンドと多彩なディレイモードは他のディレイペダルの追従を許さない最強のディレイペダルとして君臨し続けてきたDL4が新しいモデルとなって再販売されたのは本当にうれしいことです。
他の機種と比較すると多少値段も張りますが、あれこれと中途半端なディレイペダルを買い替えるくらいなら、プロお墨付きのこの機種を購入してしまったほうが時間もお金も無駄にならずに済むのではないでしょうか?
さいごに
ディレイペダルはその使用するギタリストによって役割は様々です。
一口にディレイが欲しいといってもその用途に合わないディレイペダルを購入してしまっては銭失いになりかねません。
基本的には定番のものを購入しておけば後悔は少ないかと思われますが。
心配な方は、再現したいギターサウンドのギタリストの使用しているディレイペダルを調べてみることが一つの手だと思います。
またほかにも記事を書いていくのでそちらもよろしくお願いします。